太陽の日差しも強くなり、水遊びが楽しい季節となってきました。6月半ばになり気温も安定してくると、ほとんどの幼稚園や保育園ではプール開きがあるのではないでしょうか。
子どもたちの様々な表情が見られる楽しいプール遊び。しかし、楽しい遊びも配慮を怠ると事故を起こしかねません。細心の配慮を行い、楽しい夏を過ごせるようにしたいですね。
まず第一に、どんなときでも安全に努めること!! さらに、プール開きに際しての注意事項や遊びのすすめをまとめました。
体調管理
内科検診・検便
プールでは、肌の露出や粘膜の間接的接触などにより、感染の危険性が高くなります。感染症の疑いのある子どもに対しては、プール開き前に治療を促しましょう。
検温
子どもたちの平熱を把握したり病気を見つけたりするために大切な検温。毎朝必ずプールカードなどに体温を記入してもらい、記入がない場合にはプールに入れない、ということを徹底しましょう。
環境設定や衛生管理
プール付近の環境
プールまわりのコンクリートやすのこなどは、水に濡れると大変滑りやすくなります。不要になったタオルケットやマットなどを敷いておきましょう。
水質管理
「水の入れ替えや消毒薬の使用はどうするか。」「塩素を使用しない場合、薬品は使用するのかどうか。」など、園に合った方法を決めておきましょう。塩素を使ったからといって感染症を完全に防ぐことはできないようですが、大腸菌の繁殖は抑えられるそうです。
水温・気温
年齢が低い子どもたちのためのビニールプールでは、特に水温を調節しやすいです。温度の調節が可能な場合は、温水を足すなどして、臨機応変に対応しましょう。
職員の安全教育
職員は、年度初めに救命講習を受講し、知識習得と実践を行いましょう。
職員の監視体制の再確認
「プールの水の深さが3センチメートルあれば事故につながる」と言われています。常に人数確認を行うと共に、監視体制を整えておきましょう。子どもの人数にもよりますが、目安として子ども30名に対して、子どもと一緒に入る先生2名、プール外から全体の監視をする先生1~2名が配置できるといいでしょう。監視をする者は、同じ位置ばかりからではなく、様々な方向から監視を行いましょう。また、入水中遊んだおもちゃの片付けなどに気を取られて監視を怠らないように気を付けましょう。
子どもに約束事項を伝える
「約束を守れない子どもは入水できない」ということを伝え、徹底しましょう。
約束事項の例
- プールの周りで走らない
- 入水は足からゆっくり入る
- 入水した子どもから壁沿いに並んで待つ
- 押し合いや引っ張り合いはしない
プール遊び
準備体操
体操をしながら気持ちを高めつつ、体調の悪い子はいないか確認しましょう。入水直前に体調が急変する場合もあるため、入水前に視診し、再確認しておきましょう。
入水
ゆっくり、足からお腹、胸へ水をかけ負担をなくす、という入り方をしましょう。
水を怖がる子供に対する配慮
場合によっては、嫌がるお友達にはわざと水をかけないなどの約束をすることも必要です。その子に応じた対応をしていきましょう。
はじめは「水に慣れる」ことを狙いにおく
- 座って手遊びをすることから始まり、手を床につき足を伸ばしてワニさんで競争
- 全員で一方向に向かって円を描くように走り、ストップして足を伸ばして、流れるプールにのって楽しむ
- プラスチックボールでの玉入れ
遊びの中でホースやシャワーなどを使ってトンネルを作ったり、遊びの中で水位を上げたり、変化も楽しみましょう。また、道具などを使って(スーパーボール・フープ・ペットボトルなど空き容器・水鉄砲など)誰もが楽しく遊べる経験もさせてあげましょう。
入水後の体調管理を行う
入水後は休憩時間を充分とりましょう。水に入っていても汗をかいているため、充分な水分補給を促しましょう。
子どもも親も夏の遊びとして期待の多いプール遊び。楽しく安全なプール遊びの時間が過ごせるように、園全体で準備を整えておきましょう。