人気学習塾の拓人(やる気スイッチ)グループの拓人こども未来。40年の塾運営で培った教育の集大成として、バイリンガル幼児園「キッズデュオインターナショナルセンター南校」(横浜市都筑区)を開校しました。教育理念は「自分力、国際性、心身の健やかな成長を育む」。個性を大切にしながら、英語、知育、運動、創作など、体験を重視したカリキュラムを独自に開発しました。脳の器を広げる知能教育から小学校受験対策まで行う幼児教室「チャイルド・アイズ」や、英語託児施設「キッズデュオ」のノウハウをもとに、算数や国語は小3レベルまで、英会話力は英語検定準2級の2次試験レベルを目指すなど、目標も明確にしました。「当初は地域の人々に受け入れてもらえるか不安だった」という上野園長。しかし、入園説明会には1,200名の保護者を集め、300名の定員が埋まりました。
期待以上の支持が集まった理由は、入園希望者のアンケートで判明しました。1位は「運動カリキュラム(48.3%)」、次に「教育バランス(31.9%)」、「社会性の成長(22.1%)」、「英語教育(16.2%)」と続きました。同園が導入した「やる気ゆめスポ」は、東京大学大学院教授の深代千之氏が監修。身体の構造と運動を科学的な視点で分析して開発した幼児向け運動遊びプログラムです。多くの保護者は遊びを通じた体づくりを重視しており、三鷹の説明会でも同じ傾向です。
データで成長ぶりを共有
人気の「忍者遊び300」。忍者服型のジャージに身を包んで子どもたちは大はしゃぎします。走・投・跳・打・捕・蹴・組・リズム・バランスの九つの基本動作を網羅した300種類の運動プログラムは、室内でも実施できます。運動能力測定結果はデータ化。マイクロソフトの「kinect センサー」も活用し、体の使い方は可視化します。昨秋の測定では、わずか数カ月でも運動能力の発達が見られ、特に立ち幅跳びやボール投げで顕著な有意差がありました。筋力や体の大きさに関わらず、適切な運動指導が体の使い方を向上させるとデータが証明したのです。
「個々の成長データは保護者や園児と共有する。他者との比較ではなく、個々に成長を認識しながら次の目標の達成を目指す。こうして『自分力』を高めていく。学習塾で子どもたちを指導してきたからこそ、幼児期の心と体の成長の大切さに強い想いを抱く」。上野園長はこう語ります。