地域の子育て応援情報サイト運営支援 母親目線で情報発信

ITやコミュニケーションを学びあいながら「とまとぴあ」のWebサイト運営に携わっているNPO法人「イーランチ」の皆さん。前列右が桑原さん
静岡県焼津市では2013年3月15日、地域の子育て情報を集約するサイト「とまとぴあ」を公開。その運営を地元女性が中心のNPO法人「e-Lunch(イーランチ)」に託しました。子育て支援で自治体とNPOが連携する事例を取材しました。

 子どもが遊べる場所やイベント、健診・予防接種の日程など、子育てに必要な情報は様々ですが、なかなかその情報にたどりつけない人がたくさんいます。そこで焼津市は「見やすく・分かりやすく」がキーワードの子育て応援サイト「とまとぴあ」を開設。また、同サイトが行政からのお知らせをただ掲載するものではなく、子育てに関わる人の情報を通じた交流の場となるよう、運営をNPO法人イーランチに託すことにしました。

 イーランチのメンバーは母親世代が中心。ITとコミュニケーションを学びながら地域の情報化支援と女性の社会参加を応援する団体です。メンバーの桑原さんは「先輩ママとして、子育て中の親同士をつなげ、地域との関わりができるように応援したい」と意欲的です。

 市の目標は、子育て中の人が必要としている新鮮な情報を届けること、また、子育てサークル同士のつながりを促進し、地域全体での子育て力を高めること。運営を託されるイーランチには、育児経験者視点の情報収集・発信、取材を通じて各団体のつなぎ役となることが期待されています。「行政に任せきりにするのではなく、よりよい地域にするために行動するのは市民として自然なこと。情報化社会になって多くの人々が関わりやすくなったし、ITを学んでいることで仲介役まで担えるようになった」と桑原さんは笑顔で語ります。

カギは更新と情報の幅

 とまとぴあの取り組みが今後成功するかどうかのカギは「更新頻度」と「情報の幅」です。運営を任されているイーランチでは「ITスキルを有し、インターネットを含めた新しいコミュニケーションのあり方を熟知しているメンバーが更新を担うことで、安定的な情報更新と利用者目線での情報発信を実現していきたい。また、当初からスマートフォン対応にしたのは、外出先や子どもの傍にいながらでも閲覧しやすいように、利用者のライフスタイルに合わせてのこと。また、未就園児をもつ保護者が大きな関心を寄せる幼稚園や保育園の情報は、積極的に紹介していきたいもののひとつ。とまとぴあを情報発信ツールとして利用してもらえるよう、園の先生方に働きかけ、良い関係を築いていきたい」とのことです。
 
 溢れる情報を適切に整理・再編集し、必要とする人に届けるために。互いに専門分野を担い、社会貢献する姿勢は私たちにも求められています。

地域の子育て応援情報サイト運営支援 母親目線で情報発信(サブ)
焼津市子育て応援サイト「とまとぴあ」

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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