IT社会を生きる子どもたちのために 安全に楽しく学べる環境作り

企画を担当し、もうじき4 年を迎える平野さん。キャラクター「ちょボット」と一緒に
1997年11月、ヤフー株式会社が開設した「ヤフー・きっず」によって、子どもたちは安全にインターネットを利用できるようになりました。月間で約1億ページビュー、約500万人の利用者を誇る、この人気サイトの制作現場を取材します。

 「ヤフー・きっず」は小中学生のためのポータルサイトで「ヤフー・ジャパン」の子ども版です。有害だとみなされる情報を様々なテクノロジーや人的作業で遮断し、子どもたちに安心して見せられるサイトだけを収集・分類・提供しています。検索サービスをはじめ、全25種類のサービスはいずれも無料。恐竜カードやペットなどの図鑑的なコンテンツやペーパークラフトなどは、幼児にも人気だとか。また、食育・レシピのコーナーは、給食・おやつのメニューを考案したり、食育指導を行ったりする時にも参考になりそうです。トレンドや季節に応じた特集ページにも注目が集まります。夏に向けては、ホタルが見られるスポットを紹介する「ホタル特集」や「夏休み特集」が公開の予定です。

IT社会を生きる子どもたちのために 安全環境作り(サブ1)
Yahoo!きっず

 「子どもたちが楽しく利用する姿を想像しながら制作をしている」と話すのは、企画担当の平野さん。小学校に出向き、利用状況の確認やヒアリングも行うのだとか。「これまでは大人社会に存在するものを子ども向けにアレンジしてきた。将来的には子ども版のサービスを大人向けに展開してみたい」。これまでの大人の常識にない発想が、社会を大きく変える日が来るのかもしれません。

まずは大人が学ぶ姿勢を

IT社会を生きる子どもたちのために 安全に楽しく学べる環境作り(サブ2)
ネット安全の素材も多数提供
(Yahoo!きっずガイド 指導用素材集)

 子どもたちのネット利用が不幸な事件を招き、深刻な社会問題にもなっています。ヤフーでも積極的な注意喚起や、保護者・先生への情報提供に取り組んでいます。

 しかし、情報化社会では大人も含めて安全な枠を設けることは難しく、危険を察知し回避する知識や術を学ぶことのほうが重要視されるようになってきました。「インターネットを正しく使用するための知識が重要。危険だと使わせないのではなく、保護者自身が正しい情報を持って欲しい」と平野さん。

 優良なコンテンツに親しみ、その恩恵を受けながら、影の部分とも向き合っていく姿勢。私たちは現代を生きる一人として身につけなければなりません。

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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