行事を通じて、季節と子どもたちの成長を感じる保育の現場。門平氏は「恒例行事をいかにパワーアップしていけが保育者の力量」と語ります。ゆりかご幼稚園は、大脳教育の実践として、逆上がりに取り組んでいます。権威ある大教授の実験にも協力し、その効果が実証されています。毎月の誕生会では逆上がり大会を開催。目標を達成した子どもたちは表彰され、先生がパソコンで作った賞状を手にします。
ある時、逆上がり大会の途中で一人の先生が園長のもとに駆け寄り、「すぐに賞状を用意しますので、この場で表彰してもらえるでしょうか?」と申し出ました。感動が大きいうちに表彰してあげたいというのです。園長の了解を得た先生は、急いで職員室に走り、手早く賞状を印刷して戻ってきました。子どもたちの喜ぶ姿に先生も笑顔。
「まさかできるようになるなんてね。」子どもが持ち帰った賞状を額に入れて飾ったと、お母さんが喜んで報告してくれるのも嬉しい反応。子どもや保護者の笑顔に触れることが先生の喜びです。
入園式の立て看板を一工夫しようと、大判プリンタも導入。桜模様のイラストが付いて華やかになった看板は存在感が増しました。「園長先生、一緒に写真を撮って。」今年はそんな声もかかりました。以来、女の子は園長ファンに。毎日楽しくお話するのだそうです。
遠足で行く動物園の下見は、デジカメを持って先生全員で行きます。施設や動物の写真を教室にするだけで、遠足までの期間も楽しく過ごせました。
このほか、作品展では作品だけでなく、子どもたちが制作している様子の写真も飾ったり、卒園証書に園舎や顔写真を添え、思い出が蘇る一枚にしたりしました。様々な行事で、先生たちの新たな試みが続いています。
IT技能を求める真意
こうした取り組みにIT技能は必須。門平氏は、「保育者にITスキルを求めるのは時代の自然な流れ。ホームページが作れる事を条件に教員を採用しています。とはいえ、あくまで目的は保育者として子どもたちを楽しませたり、保護者にメッセージを伝えたりすること。私が真に求めているのは何かを保育者に気づいて欲しい。」と語ります。ITを学び、保育の充実に役立てることは、保育者自身の成長の機会にもなっているようです。