生成AIの進化で、保育現場でも活用の幅が広がっています。プロンプトと呼ばれる生成AIへの質問・指示にはコツが必要です。曖昧表現を避け、目的を明確に、簡潔で具体的な設定を。
園における生成AIの活用方法
保育現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、注目を集めているのが生成AIです。ChatGPTの登場から急速に活用が進む生成AIを保育現場でも取り入れることで、コミュニケーションの向上や業務の効率化を目指せます。生成AIの園での活用イメージをいくつか上げてみましょう。
保護者への報告業務を支援
連絡帳やおたよりなどに記載する保護者への文章を自動生成するのに役立ちます。保育者の考えを伝えることで、日々の活動や子どもたちの成長記録を自動的に文章化。作業負担を軽減しながら、わかりやすく整理された内容を保護者に伝えられます。
保育プランのアイディア出し
生成AIが子どもたち一人ひとりの年齢や興味に応じた保育プランを提示してくれるため、アイディアを出しや個別対応のヒントになります。かんたんな絵本やアクティビティを作成し、日々の保育で活用することも可能です。
業務管理の効率化
生成AIを活用してシフト管理や健康記録などの業務を自動化することで、園全体の業務効率が向上します。例えば、出欠管理や健康管理にAIを用いると、人的ミスを減らし、迅速に対応できるようになります。
子どもの成長データの分析
子どもたちの日々の成長や行動のデータを生成AIで分析し、発育傾向を予測することで、早期に発育支援が必要な子どもを発見できるようになるかもしれません。これにより、適切なサポートやフォローを行いやすくなりそうです。
適切なプロンプトを設定するためのコツ
生成AIをうまく活用するには、AIへの指示文「プロンプト」の設定が鍵です。コツを掴んで上手に質問すれば、生成AIが欲しい答えを出してくれる可能性が高まります。以下のプロンプト設定のコツを参考に、より良い設定を目指しましょう。
目的を明確にし、簡潔で具体的な表現を使う
曖昧な表現を避け、AIが解釈しやすい言葉を使うと、より適切な内容が生成されます。例えば、日報を生成する場合に「楽しかった1日を記録してください」というような曖昧な表現では、AIが内容を理解できず、実際には行っていない活動を生成する可能性があります。プロンプトを設定する前に、何を伝えたいのか、何を達成したいのかをはっきりさせ、事例を交えながら「子どもがどんな活動をしたか、楽しそうだったかどうか」を具体的かつ簡潔に伝えるとよいでしょう。
前向きでポジティブな表現を使う
「やる気をなくした子どもの様子を記録してください」といった否定的なプロンプトを設定すると、AIもネガティブな内容を生成しがちです。ネガティブな表現を避け、ポジティブで安心感を与えるような表現を使うことで、生成される内容もポジティブなものになります。
対象年齢や具体的な関心を設定する
プロンプトに対象年齢やテーマを含めることで、生成される内容が子どもの発達段階や興味にあせてくれます。逆に年齢を指定しないと、保育現場にそぐわないものとなることがあるため、注意が必要です。年齢や興味について具体的に指定するとよいでしょう。
AIのトーンや文体を指定する
AIは文章のトーンも指定できます。子どもや保護者に向けた内容では、文体を優しく、安心感のある表現に指定すると、期待通りの文章になる可能性があがるでしょう。
生成AIは、業務負担を軽減しつつ、より良い保育支援に期待できます。適切なプロンプト設定で、効率よく活用していきましょう。