「大きくなったら先生になりたい」幼い頃の夢を叶えるために学ぶ学生たちは、真面目で素直な印象でした。「お世話になった先生にあこがれた」「保育士だった母親を尊敬していた」それぞれの胸には、理想の先生像があるようです。
また、不安よりも期待のほうが大きいようで、4年生の中西さんは「保護者との関わりなど経験しないとわからないこともあるが、そんな時は先輩たちから良きアドバイスを頂けると思う」と話します。同じく4年生の長谷川さんは「好きなことを仕事にできるなんて幸せ」と笑顔を見せます。今春の社会デビューに思いを馳せ、夢と希望に満ちた表情をしていました。3年生の大橋さんも、実習先で子どもたちから手紙をもらって感激したことを話してくれました。先生と呼ばれ、さらに情熱が高まっていきます。
↑4年生の長谷川さん
「優しいお母さんでいいな」保育士だった母親を友だちがこう言ってくれるのが嬉しかったという山下君。「ピアノは苦手だが、そのぶん元気に動き回って子どもたちを楽しませたい」と話します。大石君も「力仕事や不審者対応などでも頼りにされる存在になれたら」と頼もしい発言をしてくれました。長年大切にしてきた彼らの夢が現実になる日はもうすぐです。
夢を抱き、考える保育を
↑大島教授。子ども家庭福祉論などが専門
夢に向かって歩み続ける彼らを支えているのは、静岡英和学院大学人間社会学部地域福祉学科の大島道子教授です。大島教授は、彼らに「夢を持ち、それを語れる人」そして「考える保育のできる人」になって欲しいと願っています。「保育者になりたいという強い想いを胸に、こうしてがんばってきたのだから、これから先の様々な状況に対応できるはず」そう言ってやさしく彼らを励ましながらも、素晴らしい仕事をしているという認識のもとに、保育の現場に行ってからも、人としての「根っこ」を育てることの大切さを唱えます。子どもたちがすくすくと成長し、幸せに巣立っていく。そのたびに噛み締める想いが、彼らを人として、保育者として成長させていきます。