
「人生100年時代を迎え、子どもや子育て世代、高齢者、障がい者も含めた全ての人が活躍できる社会が求められている。本学園も『榛原学園100年構想』を掲げ、生涯にわたり学べる場を提供し、半学半教を実現する人財育成・コミュニティの形成を目指している。MAKE IT(メイクイット)はその実践の場」。そう語るのは、静岡県牧之原市で認定こども園・保育園・子育て支援センターを経営する学校法人榛原学園 事務長の増田多朗さんです。かつての寺子屋のように学び合い、教え合いながら、地域の課題を地域全体で解決していく場として、2018年10月に「MAKE IT」を立ち上げました。
IT化やグローバル化への対応の遅れといった課題に着目し、プログラミングを学ぶIoTキッズスクール、市内でも外国人の多い細江地区で文化や言葉の壁を超えて交流するグローバルスクール、地域の方と田んぼや山、海で体験学習を行うNATUREキッズスクールなどを運営しています。中でも、IoTキッズスクールは、もともとプログラミングに興味のあった現場の保育者を講師に抜擢。講師を務めた杉本裕輔さんは、同市で実施されたIoT指導者育成プログラムを修了後、保育の現場から離れ、週5日、プログラミング教材「WE DO」を使ったロボット教室やドローン教室を担当。杉本さんは、「子どもたちと接しながらも自分の好きなことを仕事にできる面白さがある。子どもたちには、未知のものに触れる楽しさを体感してほしい」とやりがいを語っています。

「MAKE ITは、『社会構造の変化に応じた子どもを育てる』という学園の基本方針に沿ったもの。AIやIoTなど、時代が流れていく中で、それらを子どもたちが平等に体験できる環境をつくりたい」と増田さん。子どもたちがロボットの動きを自由に表現しながら、物事を順序立てて考える力を育むIoTキッズスクールは、今年10月に園での実施が新たに決定しました。本髄である保育の質向上は引き続き継続し、次代の流れへの対応はMAKE ITで。学園と地域の二人三脚が生み出す循環に注目です。