3年後、5年後の経営を考える 幼保一体化時代の経営4

執筆者
大嶽広展

株式会社船井総合研究所
保育事業コンサルティングチームリーダー

保育園の組織改善、オペレーション体制の整備・保育所新規開設支援で多くの成功を導き出している。NHK「おはよう日本」他出演多数。
【問合】03-6212-2931

 認定こども園がスタンダード化すると、恐らく急速に待機児童は減少すると考えられます。新幼保連携型だけでなく、幼稚園型認定こども園も増えるでしょうし、東京認証保育所のような準認可保育所からの認定こども園移行も増えるでしょう。認可外保育所が小規模保育を行うケースもかなり増えると思われます。よって、社会から「待機児童問題」が無くなるのも、そう遠くない気がしてなりません。社会的にはとても素晴らしいことです。

 しかし、事業者としては不安もあることでしょう。特に社会福祉法人の認可保育所にとっては今のように園児が勝手に集まってくる状態と言うのはまず無くなるでしょう。

 このように需要よりも供給が多い状態を「飽和状態」と言い、市場のライフサイクルの概念で言えば「安定期」や「衰退期」と言われる時期に入ります。この状態や時期で起こる現象が「競争」です。競争時代には嫌でも「勝ち負け」が明確になります。しかし、これからの経営は「競争」よりも「共生」をベースにしてはいかがでしょうか。その方が効率的であることを知らない人が多いのです。

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