教育カテゴリのランキングで一位獲得 親が共感するアプリ

「普段はお父さんの仕事道具であるiPad。『おやこでリズムえほん』を起動すれば家族みんなが笑顔で集まり、コミュニケーションを楽しむ時間が自然に生まれる
所有率が20%を超えたというスマートフォンは、保護者家庭にも広がり始めました。教育カテゴリで第一位を獲得した人気の知育アプリ「おやこでリズムえほん」を開発したスマートエデュケーション(東京都品川区)の池谷大吾社長を訪ねました。

 スマートエデュケーションが昨年11月に発表した知育アプリ「おやこでリズムえほん」は、Apple App Storeの教育カテゴリで1位に輝きました。これは、うたに合わせて親子で楽器遊びをするアプリで対象年齢は8ヶ月から。季節の童謡、『となりのトトロ』、『アンパンマンのマーチ』等の人気曲でも遊べます。「脳の成長が最も活発な時期に触れるからこそ、本物で高品質な教材にこだわった」と語る池谷社長。楽器の音色はすべて本物の楽器を演奏して収録し、各端末ごとに最適な音質に仕上げました。英語のうたはネイティブの外国人歌手、日本語のうたは作詞家で歌手の林ももこさんが歌っています。

 池谷社長は「iPad に出会ったとき、これが家族をつなぎ合わせる新しい『ハブ』になると直感した。また、年長の息子が私のiPhoneを勝手に操作し、難しいゲームや九九を覚えてしまったことにも驚き、親子のコミュニケーションを育むための良質なアプリを開発しようと思った」と語ります。「単なるゲームか知育か?この違いは親が共感できるかどうかだ」。池谷社長は、アプリ名を「おやこで〜」として想いを込めました。そのメッセージを受け取った多くの保護者たちがブログやフェイスブックなどを通じてこれを広めていったのです。

教育カテゴリのランキングで一位獲得 親が共感するアプリ(サブ)
↑おやこでリズムえほんプラス

知育ソフトの新流通の場

 『みんなdeリズムドラム』『おやこでリズムタップ』『おやこでスマほん』。新作が続々と登場します。さらに、『KidsBeat 』という名称で海外進出も決まりました。英語曲版になることで利用者が全世界に広がり、国内では英語教材としての活用が期待されています。注目が集まる中、開発チームは質の向上に余念がありません。社員は30代のパパママ世代。家族で楽しみながら改良を続け、月に1回程アップデート(機能向上)を施しています。「子どもは正直で辛辣。厳しいユーザーだが、その反応が貴重」。「簡単」というレベルを決め直したり、画面上の楽器に動きをつけたりしたのは子どもたちに学んだ事でした。

 「音付きの絵本は1,000円以上する。持ち歩いたり遊んだりするうちに傷むこともしばしば。アプリがこれを解決する」。池谷社長は、知育アプリで親子のライフスタイルを変えようとしています。 店舗でソフトが流通した時代からネットでアプリをダウンロードする時代へ。その新しいマーケットでどんな知育教材が注目されているのか。保育者として注目しないわけにはいきません。

教育カテゴリのランキングで一位獲得 親が共感するアプリ(サブ)

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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