子どもたちのために園長ができること 「いい先生」を育てる

すべては子どもたちにとって最高の環境をつくるためという信念が、挨拶や掃除、日常の何気ない表情に表れる。ふとしたときに、人間的な成長にも気づく
「ファンが生まれる幼稚園」として人気の学校法人野村学園パール幼稚園(大田区蒲田)は、Webサイト、ブログ、フェイスブックなどで独自性の高いメッセージを発信しています。絵本も出版している園長の野村良司さんにお話を伺いました。

 「いい幼稚園って、どんなだろう?」。野村園長は、教諭時代から全国の園を視察。自園の日常を見つめ直しながら自問自答を繰り返してきました。そして、ひとつの答えにたどり着きます。「いい幼稚園にはいい先生がいる。いい先生とは、子どもの成長を願い、その想いを実践できる人材だ」。ライセンスを取得した人を「先生」と呼ばれるにふさわしい人材に育てることこそが、園長の仕事だと考えた野村園長は、以来、教職員教育や採用活動に情熱を注いできました。

 その核となっているのが、10数年かけて編集した教職員向けの「理念書」。教育理念、先生の心構え、職務方針、成長のヒントなどをイラストや図解も添えて、わかりやすく、熱く表現。「パールが目指すもの」を明確に示しました。導入研修の教材にしたり、毎日の朝礼で読み上げたり、悩んだときに読み返したりするバイブルとなっています。

 また、朝・夕の園内掃除は、保護者から高く評価されています。安全確認や事故予防が目的ですが、先生たちは子どもたちに最高の環境を提供したいという強い想いに動かされているようです。これは理念を理解している先生たちならではの徹底した行動といえます。

 「掃除は気づきの能力を高める練習にもなる。隅々まで掃除ができるようになると、子どもたちの微妙な変化にも気づけるようになる」と野村園長。掃除も教職員教育の大事な取り組みのひとつなのです。ステージが上がればその上を。最低レベルを常に高めたいと考える野村園長です。

見えないものをかたちに

子どもたちのために園長ができること 「いい先生」を育てる(サブ)

 「幼児教育は心の教育。正解はひとつではなく、成果が目に見えないことも多い。だからこそ、人を大事にする姿勢をきちんと示したい」。みずからが写真を撮影し、言葉を添えて、レイアウトやカラーにもこだわってつくる入園案内、採用ガイド、Webサイトやブログといったツールの数々は、見えないものをかたちにする取り組み。「伝え方の手法を変えれば、子どもも大人も反応が変わる」。野村園長は常にそのことを考えて行動しています。

 最近では試験的にフェイスブックページも開設しました。20代~30代の父親世代に利用者が多いフェイスブック。仕事の合間に園の様子を垣間見る姿が目に浮かびます。父親にも園が身近になれば、子どもを育む環境は充実するのです。すべての判断基準は「子どもたちのため」。今日より明日、もっといい幼稚園をめざして、常に価値観を見直しながら教職員と「共創」する日々です。

 一粒一粒が輝きを放つパール。野村園長がデザインする教育理念のもとに一連となった美しさが、子どもたちや保護者を魅了し、ファンを生み出しているようです。

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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