家庭や地域との垣根下げオープンに 園の日常伝えるホームページ

ホームページの更新も仕事のひとつとして楽しく取り組んでいる職員の皆さん
昭和24年、長友武子さんは、学校法人長友学園の前身である神奈川美術服装学園と橋本保育園を開園しました。あれから60年。姉妹園の大沢幼稚園(相模原市)では孫の長友六月さんが園長となり、「地に足のついた保育」を継承しています。

 「町の風景は様変わりし、自然も少なくなってしまったが、幼稚園が自由な空間であることは変わらない」。そう語るのは長友六月園長。幼稚園 を「オアシス」だと表現する想いは、園歌の「心のふるさと」という言葉に祖母が込めた想いに通じるものがあるといいます。

 ホームページは、そんな「オアシス」での楽しいできごとを保護者や地域の人々にも伝え、一緒に子育てを楽しむために存在します。

 同園では、簡単に情報を発信できるシステムが組み込まれたホームページを採用しており、保育の日常は日記風の雛形に入力するだけで公開できます。そこで、職員はローテーションを組んで更新を継続。内容や表現は、職員の判断に任され、自身の言葉で想い想いに記事をしたためます。

家庭や地域との垣根下げオープンに 園の日常伝えるホームページ(サブ1)
大沢幼稚園のホームページ。3 月、トップを飾ったのは卒園式の記事。いつものように楽しく遊んだあと、自然な流れで園庭にて行われた。伸びやかな子どもたちを春の光が優しく照らした

自主性に基づく成長願い

 子どもたちの自主性を育てるための「待ちの保育」に取り組む同園では、指示、命令、禁止を最小限にとどめ、子どもが自分の意思で何かをし始めるのを待つようにしています。自由遊びは少し長めの十時半まで。「〜しなさい」「早く早く」「こうすればいいのに」といった言葉をぐっと飲み込み、遊びのアイデアをひらめかせたり、道具を見つけたり、友だちと交流をはかったりする様子を見守ることで、昔と変わらぬ子どもの本質を伸ばしたいというのが長友六月園長の願いです。

家庭や地域との垣根下げオープンに 園の日常伝えるホームページ(サブ2)
↑草履は筋力や集中力向上に効果あり

 最近、ホームページに「写真注文機能」を追加しました。来園時には従来どおり「サンプルブック」で注文できますが、家庭で父親や祖父母も交えて写真を選ぶことができれば楽しみが広がります。また、職員の事務処理軽減にもなりました。

 「これでホームページをパワーアップさせることができた。職員も伝えたいという湧き出る感情を表現できるようになったらいいよね」。信頼を寄せているからこそ職員の自主性も尊重したいという長友六月園長。自らも気負いのない自然体を貫いています。

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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